【前編】「シリコンバレーで学生が起業するってどういうこと?」はこちら
あきら ところで話が変わるけど、シリコンバレーに会社をもつのって具体的にはどうやったの?
シリコンバレーでの具体的な起業の方法
戸村 僕の会社はシリコンバレーにオフィスがあるだけで、登記自体はデラウェア州でしました。本当に電話して5分くらいで出来ます。僕の場合はまず、「HACK JPN inc.」が誰にも取られていないかを確認して、5000円くらいでその名前をホールドできるのでホールドをして、会社登記の手続きをアドバイザーを通してやるっていうプロセスでしたね。
あきら アメリカは州によって法律が違うから、州によって会社を登記する上でのメリット・デメリットってあると思うけど、なんでわざわざデラウェア州だったの?シリコンバレーはカリフォルニア州じゃん?
戸村 Google、Facebook、Twitter、Apple、シリコンバレーの有名な会社はデラウェア州で会社登記してるんですよ。なんでかっていうと、IPOやバイアウトした時の税金が他の州に比べると安いんですよ。カリフォルニアや日本はめっちゃ高いんですよ。それに、比較的簡単に起業できるからです、電話とかで。起業したいって言ってる学生たちも電話かけてやってみたらいいと思うんですよ。5分で出来ることをしないで4年間「起業したい」って言ってるだけで終わらせてしまうのか、ってすごく勿体無い気持ちになります。
あきら まぁ多くの学生が「起業したい」って言うことが格好いいと思ってるだけで、本気度がない人が多いなとは感じるね。
戸村 日本に帰って色んな大学の学生と会う機会があるんですけど、起業家サークルに入ってる人ほど、起業しないらしいです。何百人といる中で二桁もいってないようですよ。
あきら たしかに本当に起業したいって人は、群れなくても勝手に起業したりするからね。それに日本でも30万円くらいあれば普通に登記して社長になれるし。そういえばデラウェアで起業したときの実費はいくらだったの?
戸村 デラウェア州で会社登記できるのはデラウェア州民だけなので、登記専用のコンサルタントがいてその方に手数料の500ドル。それと、資本金はいくらでもいいので、僕は1ドルだけだして、合わせて501ドル(約6万~7万円)でした。
あきら へー!それは安いね!
戸村 まあ、肩書きだけですけどね。
あきら 僕も経営者だけど、やっぱりその肩書きから影響されて、自分の考え方だったり行動が変わったりしない?「僕は学生じゃなくて経営者なんだ」って意識にならない?
戸村 ・・・マインドっていう意味ではあんまり変わってないので、そういう意識変化とかはなかったと思いますけど、強いて言えば責任感は強くなりましたね。何かトラブルが起きたら、代表「戸村光」として訴えられたり、社員を持ったら社員がちゃんと生活出来るようにしないといけないので。
あきら それはすごく分かるね。ぼくは実際に役割が人を成長させるってことはあるって思ってる。アイデンティティが「学生」か「経営者」かで自分が話す言葉も周りの見られ方も変わる。その役割の変化がその役割にふさわしい自分へと成長させてくれるんだよね。
(後編へとつづく)
次回は、「日本の教育を変える!日本とアメリカの教育の違いとは?」をお届けします。
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