【前編】「セミナー事業を10年続けるには?」はこちら
【中編】「どのようにして2世代上の経営者と出会うのか?」はこちら
あきら ぼくはこの2世代上の経営者と組んで事業をするってすごく日本の文化に合っている気がしてます。ライフネット生命の岩瀬さんと出口さん。最近ではKADOKAWA・DWANGOの川上量生さん角川さん。これからの日本のトレンドだと思ってます。では、実際に2世代上の経営者と一緒に事業を始めるとなった時に、どういうところにポイントを置いて、役割分担をしたらいいものなんですかね?

白根 私の場合で説明しますと、牛久保が力関係では圧倒的だったんですね。経験も人脈も資金もすべて、会長が持っていたからこそ始まった事業でしたから。当初は、事業の方向性も牛久保が決めていたので、その中で、純粋に事業成功のために、自分が出来ることを誠実に素早く全力で対応できるか、ということをやっただけでした。こういった60代の経営者発信のケースもあれば、若い人が何かアイディアを、先輩経営者に持ってきて、知恵や情報、資金を頼るというケースもあるので、私のケースだけを参考には出来ないとは思います。
あきら やっぱりそういうふうに、若い経営者を60代の経営者がサポートするとことの方が多い気がします。何かのヴィジョンを持ち、経営したいと思っている若い人が、60代の経営者に、どんな形であれ、サポートをしてもらいながら始めるというのは、シナジーが発生して、お互いにとってすごく良いことのように思います。

白根 そうですね。もう50歳を超える経営者は自分が第一線に立って事業をするより、投資をしたり、知識や情報を継承することの方が多いと思います。そこで、重要になってくるのは、その方の立場になって考えることです。報告を早く正確に行って、密に連絡を取り合って、折角のサポートをちゃんと活かしきることですね。これは、どの分野の組織の社長と参謀の関係を見ても感じることです。
あきら そこが重要になってくるんですね。なるほど。対外的に見ても、2世代上の経営者と一緒にやっているだけで、その事業の持つ信頼感が違うと思うんです。例えばぼくの場合って若い経営者なんですけど、本を出版するとき出版社の多くの編集者さんが30代40代なんですね。その中で、みんなあまり年下の成功者の本なんて本音では出したくないんですよ。でも、出版業界で尊敬される方から推薦やプロデュースがあると、まったく話って違ってトントン拍子に進むんですよね。「この人がサポートしている事業なら応援しようか」っていうことになるんですよ。

白根 たしかに若い経営者が自分のことを広報して回るより、60代の経営者が「応援してる」と言葉や姿勢を、他の人に示す方が圧倒的に効果があると思います。実績のある方がいう言葉はやっぱり重いですよね。なので、2世代上の方を味方に着けるというのは大変なことかもしれませんが、それだけ魅力的なことだとも思います。その実績のある方に認められる事自体に、すごく価値があります。
あきら なるほど。味方に着けるためには、認められないと始まらないので、すべきことをちゃんとしなければいけないでしょうけど、だからこそ成功にも近づくんだと思います。「味方につける」というのは、すごく可能性が広がりますね。以前、60代の経営者の方と話した時に、「自分と全く違った人と組めば組むほどすごいプロダクト(商品)が生まれる」という話になったんですね。それで、一番は男女で二番目が「老人と若者」だって(笑)これは、事業を創るという上でも、年上の方と組む利点があるという受け取り方ができると思うんですね。

白根 本当にそのとおりだと思いますね。今、いかしあい隊の方でも掲げている言葉がありまして、「異五主義」と言うんですけれども、その内容が、
・異世代(年齢の異なる人)
・異レベル(ビジネスの実績や経験の異なる人)
・異国
・異業種
・異質(個性の異なる人)
というものなんですが、この5つになるべく当てはまるようなチームをつくれば、そのチームの事業成長率がぜんぜん違う、ということをお話しています。なので、社内で新規事業をするときや、自身でなにか事業を始めるときにこの「異五主義」を意識してみるいいと思います。そして、いかしあい隊としても、うまく異なる要素を持つ方同士が会えるような仕組みづくりに取り組んでいます。

あきら なるほど。いろいろな観点から見ても、自分と全く年齢が違う人と組むのが良いでしょうし、ほかの異なる要素もあるから、それも上手く取り入れていくということですね。若い起業家たちは、せっかく才能や実力があるのに、人の感情を理解してないために埋もれているケースがすごく多いですよね。2世代上の経営者と組んで、サポートしてもらうことで、社会と自分を繋げてもらうことが大事なんだと思います。白根さん、今日は本当にありがとうございました。
白根 ありがとうございました。

中村あきら×白根斉一対談 終わり
(撮影・構成 湯ノ口直樹)
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白根さんとの対談で2世代経営者と出会うこと、組むことの魅力が分かっただろうか。
20代起業家は、先輩経営者を求めてる。
でも、30代、40代は自分の事業で忙しくて、出会ったとしてもじっくりと経営を教わることは難しんじゃないかっていつも思ってる。
そんなときに50代、60代の経営者は若い経営者との交流を求めていることを知った。
ぼくはその若い経営者と50代、60代の経営者こそ日本の重要なつながりになると思ってる。
いかしあい隊の交流会でもたくさんの50代、60代経営者と出会うことができる。
ぜひそういった場に出向き、自分の想いを伝えてみてはいかがだろうか。
きっと喜んでくれるはずだ。
事業を一緒に組んで、時代のバトンを受けとろう!
