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お互いの役割を理解できるかが大事
あきら 先程、女性が男性を育ててもいいんじゃないかとお話がありましたが、久野さんはこれまでに男性というか、アーティストを育ててプロデュースもされていた経験がありますよね。男性の育て方がわからない女性ってたくさんいると思うんですね。僕があげまん女性と対談していますが、社会に出てくる女性をサポートする男性をアゲメン男性と呼んでいます。そのアゲメン男性というのはアーティスト性が強かったり、感受性が強い男性が多かったりするんですね。社会に出て行く女性は共通して合理的な判断を行う傾向が強いものの、そういうアーティスティックな男性の育て方がわからないという人がとても多いのです。そうした女性に対して、どのように育てて行けばいいのか、経験を交えてお話を伺いたいなと思います。
久野 そうですね。例えば芸能人ってマネージャーがつくじゃないですか。夫婦関係もマネージャーとタレントの役割のようなものなんですよね。女優さんや女性のタレントさんと男性マネージャーがいたとして、男性はタレントさんの後ろについていますよね。その仕事をやるか決定したり、スケジュールを管理したり、ある意味それは頭脳の部分なのです。だから、一見フロントは女性であっても、それは別にヒモではないのです。
あきら わかります。確かに。
久野 それを理解できるかどうかです。男性がもし前に出て行くタイプの人なら、女性は専業主婦で家庭を守るという役割でもいい。それも一つの理想の形だとは思います。男性が仕事をしているところを、女性がマネージメントする立場でサポートすればそれはいい組み合わせだったりします。
僕は日本にいた頃、仕事としてアーティストなどをマネージメントしていましたが、家庭内では僕が外に出て行くアーティスト側の役割で、奥さんが子育てに専念してくれていました。僕が全国いろいろなところに行っても、常に安心していけるような状態を作ってくれていたのです。ですから、客観的な視点でお互いの役割を見極めることができると、いい関係性を作っていけるのではないかなと思います。
女性が社会進出して忙しくなると、男性は嫉妬する
あきら アーティストのマネージャーという経験でいくと、女性が社会に立った時、男性はどのようなマネージメント、サポートが大事になってくるのですか?
久野 当然ですが、女性が社会進出して忙しくなると、男性は嫉妬してしまう人が多いのです。
あきら そうですね、はい。
久野 なので、まずはそのあたりをお互いがしっかり理解する必要があります。ごまかしたままで行くと、結果的に上手くいかなくなったり、離婚したりすることになりかねません。芸能界でもそうです。女優さんと俳優さんの夫婦で奥さんの方が売れていると、嫌な感じになったりするので。そういう部分もわかっていて、そこをお互いに補えるか、そこまでしっかり話し合っていくのが大事ではないでしょうか。
あきら 芸能界でもそうなんですね。
久野 はい。そこで初めて、応援できるし応援したくなるのです。一方が外で働いている時間が長くなると、家で一緒にいる時間も少なくなったりするじゃないですか。なのでコミュニケーションを密に取り続けるためにはどうするのか。そういうことが裏の会議できちんと行われていないと、感情のぶつかり合いになってしまいます。せっかく上手くやっていこうと思ってスタートしたのに、結果として上手くいかなくなるということになりかねません。やはりコミュニケーションをしっかりしてほしいです。僕らでいうと、仕事でしっかりと打ち合わせをして、掛け違えを極力なくすことです。
あきら その嫉妬を、応援に変えるような話し合いっていうのは、どういったところが大事になってくるんですか?
久野 もっと先の未来の話、つまり二人にとってのゴールが見えてるかではないでしょうか。今のこの現状が5年後10年後に自分たちにどのような変化をもたらすのかということを、計画としてしっかりできていれば、楽しいプロジェクトになってきます。今、夫婦どちらも成功したとしたら、もっと応援したり奥さんの方は今以上に彼を応援したりします。僕は常に5年後10年後を想像するのがとても好きで、そうなっていたらどうしようとか、そこに行くまでの過程を楽しめるかどうかが大事だと思っています。
あきら 確かに。2人で計画するということは、お互いにとっての行きたい方向に進んでいるということですもんね。
久野 ところが、そうした機会がなくてお互いに話をしないまま年月を重ねると当然ですが理解ができなくなります。要は別のベクトルに行ってしまったということです。これが当初の、何のための結婚なのかということ。本来はハッピーになって、家族みんなで一つの会社というプロジェクトを成功させていくために結婚したのに、違うベクトルに向いてしまうのは、とてももったいないことです。
夫婦が対等にお互いをアドバイスし合えるかどうか
あきら 久野さんが考える、そういう夫婦間の嫉妬というのは、最初は共同プロジェクトで始まったけれど、話し合いなどが行われないことによって、夫婦が違うベクトルに進んでしまった。そうすることで夫婦が嫉妬するようになってしまうということなんですかね。
久野 そうですね。嫉妬という言葉自体に、僕はそんなにフォーカスしたわけではないのですが、同じ方向を向いていないから、そういう掛け合いが出てきてしまうのです。それにもし気づいたのであれば、上手く修正するようにします。しかし、そこで大切なのは、マメに話す、つまりコミュニケーションをとるということが絶対です。
しかし僕らのような音楽を仕事にしている人でも、言っていること分かるでしょうということを、お互い言いにくいから、それを空気で察してよというような、夫婦に近くなるケースなどもあったりします。
けれども最終的には、そのアーティストが成功して、みんなでそれを喜ぼうという想いが大事です。例えば、みんなで会議ができなくなったら終わりとか、それを直接アーティストと話せなくなったら終わりだと思うのですね。
1日10分でもいいし、1週間に1回でもいい。ご飯を一緒に作るとか日本のタイムマネージメントってちょっと変ですよね。忙しいことは大切だとは思いますが、本来の目的が壊れるならそれは間違っています。そういうことに気づいた方がいいです。
あきら なるほど。ぼくのセミナーなどで、女性はもっと成功を、男性はもっと幸せとかを考えた方がいいんじゃないかということを話すことがあります。そして男性が幸せを考えるにあたって、感受性というものをもっと鍛えて行ったらいいんじゃないかなと思うのですよね。久野さんはアーティストをずっと見てきたわけじゃないですか。アーティスト性を発揮すればするほど売れていったところを実際に見てきたと思うのですが、旦那さんが自分の感じていることや表現していることをもっと伸ばして幸せを実感できるためにはどうすればいいと思いますか?
久野 僕がやっていた音楽の仕事で言うと、おそらく僕は奥さんの側ですよね。支えていく側の立場としては、そういうアーティストたちとはいろいろな話をするようにしていました。なるべくずれを生じさせないっていうのを常に意識していました。僕はアーティストとは長く仕事をしてきて、20年くらいずっと一緒に仕事をしていたバンドやアーティストは実はかなり珍しいのです。ちょこちょこ変わっていく人たちもたくさん見てきました。それが今にして思うと、しっかり相手の話を聞いてどうしたいか、どこに向かっていこうとするのかをしっかり確認できたかどうかの違いでした。現実的に、それならこうする、こういうリスクもあるということを話してあげます。夢とかではなくて、現実をお互いに理解することがチームだと思っていました。
あきら 現実をお互いに理解するというのは?
久野 例えば、アーティストなどもそうですが、マネージャーもレコード会社も、売れなくなるとみんな人のせいにしはじめるのです。あれが悪いとか、これが悪いとか。そういうことが極力ないように、できるだけオープンにしていました。なぜかというと、これしか売れなければ、これくらいのお金しか入らないでしょ?ということはどういうことかわかる?っていうようなことを、かなり腹を割って話すから、お互いに信頼関係があったのではないかなと思います。
あきら いいですね。共働きの夫婦は、女性側がガーッと前に出て行ったりするのですよ。その旦那さんは、リスクを考えてくれたり、前に出て有名になったりするのはこういうリスクがあるよと教えてくれたりします。お互いが5年後10年後を見据えて行くと、旦那さん側もこういうリスクがあるよということを教えてあげることもできるなと思いました。
久野 そうですね。先ほども言ったように、夫婦は2人でやっていくチームなのです、客観的な目線で相手を見るとき、その視点が上からになると、どちらかに力がついて均衡がとれなくなる。なので夫婦が対等でしっかりとアドバイスし合えるかどうかということは、とても大切なことです。
あきら 確かに、お互いを尊敬するっていうことですよね。
久野 本当にそうだと思います。そのリスペクトをお互いにできているかどうかがとても大きいです。それができていないからどちらかに不満が出たりします。特に「だからお前はダメなんだ」という言い方をする人はリスペクトできていない証拠ですよね。当たり前のことですが、人間関係でもこれでは上手くいかなくなってしまうので、夫婦間でどこに向かうのかということを明確にして、息詰まったら原点に立ちかえるということを心がけてほしいです。
あきら そうですね。そのように話し合いをしていくことで、旦那さんから海外行きの打診があったときも、奥さんは「ああ、大丈夫よ」って言えるし、男性なら「こういうリスクがあるよ」っていう予防線を張ってサポートすることもできます。お互いが話し合っていくことで、お互いがサポートしていけるようになっていくということですかね。
久野 そうですね。
あきら 久野さんの話を聞いていて、要は、支える側が「現実」を理解させてあげることが大事。海外に行きたいといった前に出る側がちゃんと5年後、10年後の「夢」を語ってあげることが大事。もっと大事なのが、それらの役割をお互いが認識し合うことだと分かりました。今日はありがとうございました。
中村あきら×久野浩司対談終わり
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夫婦でお互いに夢を描き、それを確認し合うことが大事!
久野さんとの対談は、いかがだっただろうか。
日本を代表するような素晴らしいアーティストを育てた久野浩司さんならではの夫婦論、パートナーシップだったと思う。
夫婦というものはゴールではなく、共同プロジェクトのスタートなんだということ。
お互いが夢を描き、それを確認し合うということ。
それぞれの役割を全うし合うということ。
夫婦の在り方について素晴らしい哲学を投げかけてくれた。
ぜひ今からでも実践してみよう。
夫婦という関係性が良くなるだけでなく、さらに夫婦という単位でまた次のステージに進むことがきっとできるはずだ。
ぜひ自分らしい夫婦の在り方、その共同プロジェクトを成功させてほしい!
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