【前編】「最高のパートナーは、あなたが自分の道を歩んだ先で「合流」するものだ!」はこちら
【後編】「夫婦で支える側が「現実」を。前に出る側が「夢」を。」はこちら
結婚は、人生の共同プロジェクト
あきら 中編は夫婦のパートナーシップについてです。ぼく自身は既婚者です。夫婦になったときに、どうすればともに成長していけるかというのを考えたし、このブログのテーマにしたりしています。ぼくはシリコンバレー行きを決意した時、妻に「シリコンバレーに今から行きたい」と打ち明けました。そこでお互い話し合いをしてシリコンバレーに夫婦で行くことができました。久野さんの場合は、カナダに移住した時に感じた夫婦間のパートナーシップについて、奥様の人柄を交えて教えていただけますか。
久野 うちの奥さんは三歩下がってついてくるようなタイプではないし、かといって自分からアグレッシブに動くタイプでもないです。けれども、お互いに信頼はしています。例えば、僕が仕事でカナダから日本に来た時に何をしているのかを気にするような人ではありません。その信頼関係がとてもありがたいです。信頼されると逆に絶対に裏切れない良いプレッシャーにもなります。
僕は、結婚自体は人生の共同プロジェクトだと思っています。お互いのやりたいこと、夢、もしくは子供も含めてそれを叶えていくための共同経営者みたいなものなのです。だからこそお互いの役割というのがとても大事なんですよね。
あきら よく結婚はゴールに例えられますが、共同プロジェクトと考えるのは、ぼくも良いと思っています。お互いの行きたい方向を向き、ともにプロジェクトを叶えようとする想いがとても大事だなって思うんですよね。
久野 起業をされているからわかると思いますが、ただ会社を立ち上げること、登記することは誰にでもできるじゃないですか。でもそれを何年も継続させたり、成功させたりするのは全く別のことですよね。人生のプロジェクトもそういうものだと思います。結婚はあくまでも最初にやっていく共同経営者が決ったということ。もちろん、最初は信頼もしています。でも継続していくと本当にその人はどうなのかなと不安になることもある。
あきら ありますね。不安になることは。
久野 しかし、いい共同経営者は、おそらくそれぞれの役割というものが明確に決まっていると思うのです。僕は音楽の仕事でいろいろなアーティストを見てきたのでわかるのですが、それが如実に表れています。みんなが「俺が俺が!」とか「私、私!」と言っているところはやはり解散するのです。けれども、それぞれの役割がしっかり自分でわかっている人は長く続いていますよ。バンドなどでもそうですが、例えば絶対的なカリスマのメンバーがいたとして、他のメンバーも彼のカリスマ性を維持するためにみんなそれぞれどんな役割を果たすのか、プロフェッショナルとしてそれを理解している人は20年30年と活動しています。それはジャンル関係なく、仕事であれパートナーであれ、自分の役割を認識していてお互いが成長していくためにやるという考え方を結婚にも当てはめて行けると、もっとみんな上手くいくのではないかなと思います。
あきら 確かに、その視点はすごく新しいですよね。前編では自分を知る、そして自分の方向性を知ることが大事だとお話しいただきました。それでは、結婚とは何かといえば、夫婦になることで自分の方向性が相乗効果でお互いに伸びていくことが結婚なのだということですね。
久野 まず伝えたいのは、結婚と恋愛は違うということです。選ぶ相手が違うのでドキドキしないですよね。経営者ってドキドキする人とは仕事しないですよね。
あきら 確かに、はい。ドキドキする人は、信頼が置けませんから。
久野 みんなそこで間違えてしまっています。恋愛の延長が結婚だと思っている人たちがあまりにも多い。離婚すること自体、僕は否定しません。自分の親も離婚しているので全く否定しませんが、ただそれがもっと早くにわかっていれば、もっといい形のパートナーを見つけられたのではないかなと思うのです。
あきら 例えば、女性目線だと、人生のパートナーをビジネスパートナーという「戦略」を意識しているようで、抵抗を感じる人もいるのではないかと思うのですが。
久野 おそらく「戦略」という考え方ではないのではないでしょうか。お互いに心からの幸せになっていくために、よりコミュニケーションをとってどのように楽しく人生を過ごしていくかを話し合うことは、夫婦なら当たり前のことです。そこにもしかすると子どもが入ってくるかもしれない。だから子どものことについて話し合うわけですよね。それをしっかりと確認し合って進んでいくということは、絶対に必要なことだと思います。
夫婦で常に未来について「話し合う」
あきら ぼくはセミナーや恋愛支援で、パートナーシップにおいて、愛するということは話し合うことだと伝えているのですよね。そこで言うと、久野さんが日本からバンクーバーに行くというのは夫婦ともに揺れるときだったと思ったのですが、その時奥様はどのような反応をされていましたか?
久野 もともと、僕ら夫婦のあり方というのは少し面白いところがあって、僕が31歳の時に、大失恋して少しやけになったときに、もう海外にでも行っちゃおうかななんて思いました。その時、だったらどこに住もうかな?というようなことを妄想し始めたのです。ニュージーランド、オーストラリア、カナダといったいわゆる英語圏で、ビザが取りやすいところはどこかなと考えていたとき、ニュージーランドだけ行ったことがなかったと気づきました。それでとても興味が湧いて、ニュージーランドについていろんなことを調べていたのです。
あきら なるほど、人生の早い段階で違う国や海外に住むという想いがあったわけですね。
久野 はい。うちの奥さんと知り合ったのはちょうどその頃で、実は彼女もワーキングホリデーで最後にニュージーランドに行こうと思っていていろいろ調べていたところだったのです。だったら一緒にニュージーランドに行こうかという話になり、つき合い始めて1ヶ月半後に2人で2週間、ニュージーランドのいろんな場所を見てまわりました。でもニュージーランドは田舎過ぎて住むイメージが湧かなくて、ニュージーランドはないかな、と(笑)、その後帰国して結婚しました。
ただ、ニュージーランドに行ってとてもよかったのは、僕はそのニュージーランドの旅行で結婚を決めたのですね。それはなぜかと言うと、性格的に合わない人とは絶対に合わないですが、24時間、2週間ずっと一緒にいてとても居心地がよかったので、そこで本当にこの人で間違いないなという確信ができたのです。出会ってたった1ヶ月半ですよ。
あきら 早い決断ですね。
久野 なのでニュージーランドから帰国する前日、奥さんに僕の未来の計画を話しました。いつか子どもができたら、海外で子どもを育ててみたいんだけどどう思うとか。すると彼女は、いいんじゃないというようなことを言ってくれたので、僕の中で完全に決まりましたね。
彼女は、僕のやることに対して応援というか、サポートをしてくれる姿勢があるというのは感じていました。一緒に旅行して嫌な感じも全くなかったので結婚しました。
とは言っても、僕も仕事もまだ忙しくなってきて、子どももまだいいなかったので別にすぐに行くという感じではありませんでした。するとある日、うちの奥さんが「前に話してた海外移住の計画ってどうするの?」と聞いてきたので「そうだね、どうしようか。」という話になって、それでまたその夫婦プロジェクトが進みだしたのです。
あきら なるほど。突然海外に行こうとかではなくて、もう出会ったときにそういう話をしていたということですね。
久野さんの住むカナダ・バンクーバー
久野 出会ったときに、ぼんやりと未来計画のようなものはあって話をしにいきました。オーストラリアかカナダ。僕はどちらかというと海が好きだったので、オーストラリアもいいなと思ったのですが、オーストラリアの永住権について調べると、今の僕では取得できない可能性が高かった。アメリカはもともと自分が住んでいたし、格差が大きいのです。また、治安のことを考えると、子どもをそこで育てたいとは思わなかったし、永住権も取れないしとなると、消去法でカナダなのです。
カナダは永住権を取れるかもしれないし、取れないかもしれない。申請を出すだけだそうという考え方ですね。なので絶対、何としてでも行こうという気持ちではなく、とりあえず申請してみようかというくらいの気持ちからスタートしているのですよ。最終的には本当に家族で行くまでに7年くらいかかりました。
あきら 7年もかかったんですか。
久野 はい。実際に永住権を取得できた時は、「やっと永住権を取れた」というより「永住権を取れてしまった、さあどうしよう」ってなりました(笑)
あきら 7年も待ったのに(笑)
久野 はい(笑)その頃には子どもも2人いたので、どうしようかなと1日考えて、やはりせっかく取れたのだから行った方がいいなと判断しました。日本に帰ってくることはいつでもできるけど、今度向こうに行きたいと思ったときに、このチャンスを逃したらもう行けなくなります。選択肢として考えると行くほうを選ぶのが自然です。僕にとってはとてもハッピーなことだったので迷いは全くありませんでした。1日は少し考えましたが、逆に本当に取れたことに感謝していました。だったら行こう!と思ったのです。
あきら 話を聞いていると、お互いの夢を語り合うことってとても大事なのかなと思いました。そして、思い描いていた夢がかなうタイミングが来たら、じゃあ行こうか、となるから変化にもスムーズに対応できる。実際に話し合ったときと、海外行きを決めた時って、何か違いはありましたか?
久野 うちは全くそれがありませんでした。奥さんがそういうことを全く気にしない人なのです。いきなり旦那さんから「日本で仕事を辞めてやっぱり海外に行くことになるよ」と言われたら、普通、反対する人が多いじゃないですか。ところがうちの奥さんは面白くて「まぁ、大丈夫だよ。やってみたら」という感じなのですよね。なので僕も「あ、そう?」と思えるし「じゃあ、ダメだったらまた日本で頑張るよ」くらいのノリで行けます。
僕も10代の時に1回海外に住んでいた経験があるので、怖いとか、住めないというイメージはありませんでした。普通の人なら、やったことのないことに対する怖さがあると思いますが、それがなかったので42歳で向こうに行きました。周りの人からはよく言われましたよ。華やかで楽しそうな仕事をしているのに、これまでのキャリアを捨ててよく行くね、と。それなりの役職もあったので、それを捨てでも行くのはもったいなくない?とか言われました。
あきら 久野さんの話を聞いていると、結婚したあとも夫婦で人生をどうするか描きあっている。つまり、話し合っている。ということがやはり大事だなと感じますね。きっと、夫婦で何のビジョンも描かないで、何も話し合わないで、いきなりカナダ行くって言ったとしてもきっといけなかったと思うんですよ。夫婦でビジョンを描き、それを常に話し合っていく。ことこそ夫婦のパートナーシップの全てであり、共同プロジェクトですよね。
後編へつづく
次回は、「夫婦で支える側が「現実」を。前に出る側が「夢」を。」をお届けします。
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