【書評】幸せな言葉をくれる音楽家『ラリルレ論』RADWIMPS野田洋次郎

RADWIMPS野田洋次郎のエッセイ『ラリルレ論』(文藝春秋)を読んだ。

RADWIMPSとは、4人組のロックバンドでボーカル野田洋次郎の声と深い歌詞が特徴で、ぼくが一番好きなミュージシャンだ。

RADWIMPS写真

RADWIMPSの曲は、まさにぼくの20代を支えてくれた曲ばかり。
大学生の頃、2年半付き合った彼女と別れて、これでもかってくらい落ちたときにRADWIMPSの曲に出会った。

RADWIMPSの曲を聞いて、歌詞の力ってすごいと思ったのを覚えてる。
それまでメロディが好きかどうかで音楽を選んでたんだけど、失恋とラッドの曲を聞いてから歌詞が深い曲しか興味がなくなった。

それぐらいぼくの感性に影響を与えてくれたRADWIMPS。その野田洋次郎のエッセイが出たとあってすごく楽しみに内容を読んだ。
しかももうすでに7万部を突破しているとのこと。

この『ラリルレ論』は、2014年20万人以上を動員した全国ツアー中に執筆した日記を基に、恋愛観・死生観や家族の思いを綴ったエッセイだ。

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1万人、2万人の前に生身の人間として立つということ

この1ページがすごい!


アリーナで1万人、2万人を相手に歌うとなると生身の自分だけじゃだめだ。
そのことを思い出した。
自分さえも超えていかないと。
なんて言うんだろうこの感覚。魔法を起こせる身体になるというか、鏡になるっていうか。
その圧倒的な数の視線や声を、跳ね返す。
さらに大きくして返す鏡みたいなのを持っておかないと。
それを忘れると潰される。その力の前に。
あまり説明になっていない。
とにかく尋常ではない空間ということ。改めて。

でも好き。あの空間。

たまにその数だからこそ辿り着ける感覚がある。境地がある。
極地にいける。
誰ももう俺を止めてくれるなよ、もう無敵という風になれる瞬間がある。いいな、無敵風。

あぁ。あと何回出逢えるだろ、あの気持ちに。

意味のないセックスなんてしたくない。愛のないキスなんかしたくない。
あたりまえだろ、そんなこと。

—『ラリルレ論』野田洋次郎著~2月15日24:02より

 

実際に1万人、2万人の前に立つ人の生の感覚だ。
自分もいつかそんな人数の前で立つだろうか。
その瞬間に自分は何を伝えるのだろうか。想像しただけで、やっぱり恐くなる。

でもきっとあると思う。そういう役割だと思ってる。
自分が何を成し遂げるかなんて分かんない。
でもそのときのための準備をずっとしてる。

ちゃんと伝えられるように。

本当に愛してくれるビジネスパートナーとは

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(レコード会社で僕らの担当の)ナベさんとはもう10年以上の付き合いになる。
僕らがまだ10代のインディーズ時代に横浜のライブハウスでやっていた時も毎回のようにライブを観にきてくれていた。
はじめて会った時、あの東芝EMIのレコード会社の人が会いに来たとみんなで舞い上がったのを覚えてる。

それから一年くらいかけて仲を深めて、いざ契約するとなった時にナベさんはこっそり僕に言ってきた。

「洋次郎、今日俺たちは契約するけど、やめたくなったらいつやめてもいいからね。
洋次郎はきっとずっと長くやる人じゃないと思うんだ。やり尽くして、また違うやりたいことを見つけてふらっといなくなる気がするんだ」

そんなことを言われた。変な人だ。
レコード会社の人間がアーティストにいう台詞じゃない。
僕もその時、「うん、俺もそんな気がする。だから今頑張るよ」と伝えた。

あれから今年でデビュー10年。まんまと続けている。
もしかしたら、あれはナベさんの作戦だったのかな。

—『ラリルレ論』野田洋次郎著~2月19日 20:59より

 

これを聞くと、ぼくは高井ちゃんや裕美や惣士郎さんを思い出す。
ぼくはビジネスパートナーに恵まれてここまで来たと思う。

自分というものを心から愛してくれる人がビジネスを支えてくれたし、ぼくはそういう人を選んできた。
きっとこれからもそういう人を選んでいく。

そして、死ぬまでにそういうレベルのビジネスパートナーを10人~20人見つけれたら、
出逢うことができたら、それできっとぼくの人生は終わりだ。

きっとその出逢いは、ビジネスの成功を引き寄せてくれるんだけど、
ビジネスの成功よりもそれは大事なんだ。

一緒に不幸にもなれる人と共に歩む

RADWIMPS野田洋次郎

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僕は思う。

僕がもし結婚するとしたら、それは「一緒に幸せになれる人」じゃない。
「一緒に不幸にもなれる人」だと思う。
もちろん幸せにするつもりだよ。誰よりも幸せにしようと頑張る。
でも長い一生はなにがあるかわからないし、いいことばかりじゃない。
誰でも幸せな時間を一緒に過ごすのはそんなに難しいことじゃない。
幸せすぎて自殺する人はそういない。
つらい時こそ、その真価が問われる気がする。

「この人とならどん底の不幸でも、なんとかやっていけるんじゃないか」、そう思えたら、その人を信用していいんじゃないかなぁ。

—『ラリルレ論』野田洋次郎著~6月11日(水)24:39より

 

これにはすごく共感した。
ぼくは以前「理想のチーム作り」講演会で、
一緒に仕事をする人は、うまくいっているときではなく、最悪のときに一緒に仕事ができる人であるべきだ。
と語った。
これは野田洋次郎らしい名言だ。

それは結婚でも同じだと思う。

うまくいってるとき、幸せなときって誰とでも一緒にいれるんだよ。
でも最悪なとき、不孝なとき一緒にいられる人っていうのはほんのわずか。
人生で何人、いるかいないか。

そういう人を人生で大切にするのは当たり前じゃないか。

そんな珠玉のような出逢いのために、ぼくは何百人、何千人と会うんだ。

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