X-tech(クロステック)とは、現在話題のキーワードである、フィンテック、アグリテック、エドテック、アドテックなど、それぞれの技術にテクノロジーを融合させた言葉となる。
これらは単に、新しい技術を通じてより良いサービスを提供できるようにする事に留まってはいけない。
産業構造や競争原理そのものが再定義され、インパクトをもたらす動きが必要である。
そのためには、事業者はまず基となるトレンドを認識すべきである。
X-tech(クロステック)を的確に見切るためには、エンドユーザーが求める付加価値は何か、競合優位の源泉は何か、そのためには何をすれば良いかを見出す必要がある。
X-tech(クロステック)のリスク
フィンテックもそうだが、X-tech(クロステック)には特定の産業分野に紐づいたキーワードが冠される傾向にある。
そしてデジタルやICTの活用は、このように業種を超えた情報共有の仕組みを通じて、異業種間競争を促進してしまう恐れがある。
そのため、こうした見通しを持たずに先行技術を取り入れた場合、競合優位となる顧客データを新興ICTプレーヤーに譲り渡すリスクがある事を充分に理解すべきである。
X-tech(クロステック)のもたらす価値
X-tech(クロステック)はリスクを回避しつつチャンスを実現するために、デジタルやICTの活用が、エンドユーザーに実現する価値を見出す事にある。
ここは、数々の価値を見出してきたシリコンバレービジネスを見習う必要がある。
シリコンバレービジネスでは、技術が急速に進化する中、トレンドだけを追っていては時代の波に乗る事ができないとしている。
そのため、エンドユーザーに対して何を求めているかの本質を見極め付加価値を定義できてこそ、クロステックの実現を通じて達成すべきゴールを明確にする事ができるのである。
そこでグローバル市場を対象にデジタル、ICTの活用でイノベーションを創出したサービスを分析した結果、大きく4つの付加価値に分類できる事が分かる。
一つ目にサービサーモデル、二つ目にマッチングモデル、三つ目にモニタリングモデル、四つ目にアドバイスモデルである。
X-tech(クロステック)はこのような付加価値類型を理解し、事業の強みや課題を考える事でイメージする事ができるのである。